自身の再確認のため、唐突に論文の読み方についてまとめ。 半分自分の経験則、もう半分は教授から聞きかじった知識です。7割位の信頼度で読んでもらえればと思います。

最初と最後をまずは読む

論文だけでなく文章というものは最初から最後まで順序を追って読まないと気がすまない人が多いと思います。

しかし、まず読むべきは、最初に書いてあるAbstract(概要、アブスト)と最後に書いてる結論(Conclusionとか言われる)。アブストは日本版でもたいてい英語で書かれていますが、そこはまぁ英語の勉強をすると思って(主要な論文は英語ですし)。

概要と結論に書いてあることとして、アブストは背景重視、結論は結果や今後の課題重視の内容になっています。

自分の研究と合う論文かどうか知りたいだけなら、とりあえずアブストだけ読んで判断すればいいでしょう。無理にイントロダクションとかを読む必要はありません。

論文の質を把握する方法は、「この論文で何を明らかにするか」を読み取ることです。何か新しい方法を提案していたり、今まで知らなかったことを明らかにしたのであれば良質な論文です。

一方、既存製品に既存手法を試みただけという論文も、論文としての質は微妙なところですが、研究分野について大雑把に知りたい場合なら有用なことがあります。

自分の研究課題を探しているのであれば、結論を読むのもアリ。長めの論文なら今後の課題とかFuture workという形で書かれています。


実験結果は図表で把握する

『百聞は一見にしかず』といいますが、実験結果をさらっと知りたければ、図を見るだけで構いません。

どんな実験をしたのか、従来法に比べてどのくらい成果が出ているのかひと目で分かります(わからなければ論文が悪い)。

実用性の観点から、シミュレーションだけでなく実機実験の結果も含まれた論文のほうが、良く評価される傾向にあります。実際、シミュレーションで良い結果が出ても実機実験で良い結果になるとは限りませんし。

それから、提案法がある場合、提案法の有効性が定量的に(数字を使って)評価されていると、良い論文として評価されます。定量的な評価の一例としては、目標に対する二乗誤差など。

そのへんの論文の質がわかるのも、実験結果図の良いところです。


参考文献から読むべき論文を探す

論文は日本版英語版含め世界にたくさんあるので、自分にあった論文を見つけるのは割と困難です。Google Scholarを使っても、検索ワードを無理やり絞らないと見つかりません。

そこで役に立つのが、参考文献。

参考文献とは言ってしまえば、著者が論文を書くときにためになったと感じた論文。

無論、参考文献に使われた回数(引用回数)が多いほど評価が高く、論文誌における論文の引用回数の平均を「インパクトファクター」と言ったりします。

短い論文でも2つ、長い論文だと100以上の参考文献が書かれています。

そうした参考文献をチェックすることで、論文探しにかかる時間を圧倒的に短くすることが出来ます。

ちなみに、論文と似た内容の論文を探したければ同じ著者の論文、研究分野全体として有用な論文を探したければ違う著者の論文を探すといいでしょう。

ただ、そうした参考文献の半分は閲覧制限かかってたりするんですけどね笑

閲覧制限かかってる論文は地道に探すか論文購入するしかないです。



結論

こうした論文の読み方を知って、自分の研究分野だけでなく、自分が何となく興味を持った分野の論文も積極的に読めると、知識の幅が広がります。

また、論文とは世の中の最先端ですからね。変化が激しく、常に最新を求められる現代では論文を読む力がより一層求められていると思います。

目指せ、1週間に論文100本。
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